理想も現実も大事


※今日の日記は読むと嫌な気分になるかもしれないので、

そういうのが嫌な方は読まないでくださいね。




世の中にはキレイなことがいっぱいあるし、

人間誰しもいいことのほうが嫌なことよりいいと思う。

だけど、そこには常に現実というものがつきもので・・・


病院で働いているといろんな人たちが来るけども

今日、若いお母さんと小さい子どもが散歩してるのを見かけて、

以前相談にのった患者さんのことを思い出した。



ずいぶん若かったなあ、確か学生だったと思う。

産婦人科の医師から依頼を受けて面談したのだけど、

依頼内容は「妊娠した子を中絶したい」と。

これは通常医師と相談することなんだけど、

うちの先生の方針で、中絶はやらない。

それはそれとして、他にもイロイロ問題があると思って先生が依頼をくれたようだ。

話を聴けば、妊娠したことは分かってたけれど、

ずっと親に言えなかったということだった。

中絶ということに関しては、いろいろと議論を呼ぶところだけど、

今回それはちょっと置いときます(脱線しそうなので)。



結局妊娠してから日数がかなり経っていたので(多分30週くらいだった)、

中絶は法的に無理ということが分かりました。

ちなみに母体保護法上でいうと、妊娠22週未満までは可能です。

でも、妊婦さんの体を考えると、12週未満くらいじゃないと

体への負担が余計大きいようですね。



でも、そんだけ日数が経過してから中絶したいっていうのは何故かな?

それがはじめに思ったことでした。

で、もしや・・・と思ったのですが、やっぱりそうでした。

相手が行方不明になってしまったそうです。



今までの経験を振り返ると、結構多いような気がする。相手が逃げたケース。

何か、こう・・・どうなの!? ってやりきれなくなります。

こういうときは、未婚のケースが殆どです。

無計画だと痛い目を見ることって多いですが、

これは痛い目どころの問題じゃないですよね。

人の一生に関わる問題ですから。




議論が尽きない問題だと思うのでこのへんでとどめたいと思いますが、

やむを得ない場合は別としても、

育てる責任を持てないのなら、子どもを作るのはやめたほうがいい。

子どもができたのなら、死に物狂いで育てるくらいの覚悟をもってほしい。

大袈裟かもしれないけれど、経験がまだ少ないころの私が

感じたことです。もちろん患者さんには言わなかったけど。

患者さんを自分の価値観で責めることは決してできないから。

でも、子どもを産んでも現実(経済的にとか)に育てるのが厳しければ、

どれだけ「がんばる」って言っても最後までがんばれるのかなあ?って思う。

子育てって、1年や2年で終わるものではないし。

希望や理想はもちろん大事。だけど、現実と見比べることも大事だと思う。

命がかかってるし余計にね。




私は妊娠も出産もしたことないからわかんないこともあるけど・・・

そんなことを思い出した今日でした。